仕事と生活との間の距離

ちゃぶ台「地元的なるもの(堀部篤史)」を読んで仕事と生活についてのヒントがあったので書置きしておく。

堀部さんは京都で独立して書店を営んでいる。彼は自分の書店のことを”嗜好品を扱うお店”と表現している。今後の、自身の仕事と生活についての在り方について、ヒントがあるような気がした文章をいくつか下記に羅列する。

コミュニティという意味での『地元』は、町内やご近所のことだけではなく、同じような姿勢、規模で、同じように嗜好品や文化的なものを扱うお店やそのお客さんになる。」「便利とか、おいしいとか、それもコミュニティを形成する上で大事な要素だけど、それだけじゃなくて共感するからそういうお店を日常的に使うようにもなり、通ううちに、だんだんとだけど、つきあいが深まっていく。」「家族と職場でともに働く人たち以外の誰からも認識されない生活というのは、精神的に苦しいだろう。とはいえ、いまは、昔ながらの地縁による「その地域にいることで、ある集団から受け入れられる」という意味での地元らしさは、とくに都市部では希薄になっている。いまとくに若い人は、家や職場以外の場とどうつながっているのか。」「時間軸の中で生まれるコミュニティを『物語的』なものとして、時間軸が介在しない場や関係性を『消費的』なものとして捉えている。」「お店はお客さんが作っていく側面があります。そのお店に集まっているのはどんな人たちなのか。」「お店の良さを語ることは、たくさんの前提や関係性を必要とする複雑な物語になるはずです。」「このお店の二階に住んでいますから、仕事と生活との間の距離は前よりもかなり近くなりました。やっている仕事のレベルにしても、なんというか、自分の情緒みたいなものと密着したものになってきています。」「当時、たとえばビールを飲んだあとにも、夜中までかんたんな書き物くらいはやったりしていたのは、仕事と生活の垣根を設けず、楽しみながら働こうという工夫からそうしていたんでしょう。」

仕事と生活との間の距離が近くなっていること、やっている仕事が自分の情緒と密着したものになっていること、この表現はこれから自分がやっていきたい生活・仕事のスタイルが上手く表現されている。

まずは、生活の拠点を見つけて、その次の仕事は生活との間の距離が近い(遠すぎないこと)が大事である。