タルマーリー 腐る経済に学ぶ ~小商い・自前の生産手段を取り戻す~

タルマーリー「腐る経済」読み終わる。著者の生き方そのものが、これからの「田舎暮らし」「地域を循環させる経済」についてのアイデアに溢れている。マルクスと「小商い」について書かれたところより引用。

マルクスいわく、資本主義経済の矛盾は、「生産手段」をもたない「労働者」が、自分の「労働力」を売るしかない構造から生まれている。そこでマルクスは、労働者みんなで「生産手段」を共有する共産主義を目指したが、今さらそういう方法がうまくいくとも思えない。今の時代は、ひとりひとりが自前の「生産手段」を取り戻すことが、有効な策になるのでないか。そのニュアンスをうまく表現しているのが「小商い」という言葉(中略)。「内」なる力、潜在能力を大切にする暮らしや仕事のあり方が、「天然菌」や「自然栽培」、あるいは「引き算のパンづくり」という発想と似ている(中略)。今こそ「小商い」の時代なのではないか。交通も通信もインフアが整備され、規模が小さくても十分にやっていける環境が整ってきている。インターネットやソーシャルメディアは、情報収集や情報発信も思いのまま。「小商い」にとって大きな武器。僕らのパンは、ひとことで表現するのが難しい。だから、ブログやツイッターフェイスブックを使い、僕らがつくるパンや店のあり方について丁寧に語ることに重きを置いている。心を込めて丹念にパンをつくり、言葉を紡いできた結果「田舎のパン屋」が5年にわたって受け入れられてきた。